タイヤ側面と接地面のちょうど境目に三角のマークがあります。  

最近、タイヤ交換作業の依頼が続きましたので、ココでタイヤに関するノウハウを、店主のありったけの知識で記載します。

まず、タイヤの寿命ですが、一般的に山(溝)が無くなったら交換です。4輪車で溝の深さが1.6ミリ。2輪車で0.8ミリというのが日本の法律で定められた使用磨耗限度です。
とはいっても、実際どれくらい?と思われる方もいると思いますので、簡単な確認方法を!

まず、タイヤの側面をよく見ると、タイヤ側面と接地面のちょうど境目(角の部分)に三角のマークがあります。


溝部に一部膨らんだ部分があります。  

その接地面方向の延長線上の溝部に一部膨らんだ部分があります。

膨らんだ部分が1.6ミリ(4輪車)あるので、その部分が表面に出てきたら使用禁止です。

また、ドレスアップ等で、太いタイヤの装着や、インチアップ、ローダウンを施された車両は、偏磨耗している場合があります。
車両に対してタイヤ外側の溝はたくさんあるのに、内側の溝はツンツルテン・・・なんてこともあるので、内側までよく確認してください。
オイル交換などで車両を持ち上げた際に確認してもらうとよいでしょう。


溝どころの話じゃないです。  

しかし、外側も内側も溝はイッパイあるのに、こうなってしまったら使用は避けてください。
ひび割れが酷いです。

走行は少なくても、経年劣化、酸性雨や紫外線の影響、また空気圧を適正に保ってなかったりするとこうなってしまいます。
タイヤはボディーの次に風雨にさらされており、非常に厳しい条件で働いています。しかも材質がゴムでできている以上どうしても避けることのできない症状です。

この状態を放置すると、高速でいきなりバーストをおこしたり、急ブレーキで止まり切れなかったりして非常に危険ですので至急交換です。


タイヤ側面の4桁の表記  

また、あまり知られてはいないのですが、タイヤのいわゆる「賞味期限」は夏タイヤで5〜7年、スタッドレスタイヤで3〜4年といわれています。

タイヤの側面をよく見るとこのような表記がされています。[写真4]
この「2605」の4桁の数字に注目してください。
後2桁の05は2005年という意味。前の2桁は26週という意味です。つまりこのタイヤは2005年の26週目に製造されたことを意味します。
オークションなどで、安い中古タイヤを入手し使用される方もおられますが、コレを目安にできるだけ新しい物を使用してください。

あまり古いと、たとえ溝がたくさん残っておりひび割れがなくても、タイヤに含有されている油分が抜け出てしまっているので、弾力やグリップ力等が著しく低下し、タイヤとしての機能を果たしません。


適正な空気圧は運転席ドアを開けた後にステッカーが貼ってあります。  

あと、空気圧ですが、常に適正に保つように心がけてください。
具体的には、燃料を補給する時に、ついでに点検したらよいでしょう。また、高速道路を利用する前は必ずチェックしましょう。
当ガレージでは、どんな些細な事でも作業のあと、空気圧は強制的に点検させていただいております。(チッソ充填車は除く)

では、適正な空気圧は、というと、大体のクルマは運転席ドアを開けた後ろ側(車の取扱説明書にも明記されています)に、このようなステッカーが貼ってあります。

標準タイヤならこの数字を。インチアップされていたり、高速道路を多用される方はこの数字の5%〜10%増しで空気を入れておけばOKです。


タイヤを新品にはめ換えた時は、ココのバルブも交換してもらいましょう  

タイヤを新品にはめ換えた時は、ココのバルブも交換してもらいましょう。
大概の物はゴム製ですのでこのように劣化します。
ココが原因でエア漏れを起こす事もよくありますし、写真のようになってしまったらもう手遅れです。

値段も数百円です。タイヤを外した状態でないと交換できない部分ですので、交換をお勧めします。


バランスウェイト バランスウェイト バランスウェイト  

続いて、ホイルをよく見ると、表側や裏側にこのようなものが付いています。

コレは、『バランスウェイト』と言われるもので、このタイプの他に板状の貼付けタイプもあります。
何をするものかと聞かれたら、読んで字の如く、バランスをとっている『おもり』です。

タイヤはゴム製品ですので、どうしてもホイルに組み付け後、残留アンバランスがでます。
時速100キロで走っている時のタイヤの回転数はおよそ毎分900回転にもなります。
その時にアンバランスがあると、タイヤが上下左右に振れてハンドル操作や乗り心地に影響が出ます。
そのアンバランスをこのウェイトで釣り合わせてバランスをとっています。

タイヤショップなどでタイヤをはめ換えた場合、いかにこのバランスウェイトを少なくできるかが、ショップの腕の見せ所です。

が、どうしても取り付けなければバランスが取れない場合がほとんどですので、タイヤのサイズが前後で同じ場合、このウェイトの量が少ない方を前輪にすると良いでしょう。
タイヤ自体に回転方向の指定が無い場合は、さらにウェイト量の少ないものを運転席側にするとなお良いです。

 

最後に、外したタイヤの保管方法です。

1 キレイに洗い、偏磨耗や傷がないかを確認する。
2 よく乾燥させた後、タイヤの空気圧を半分程度に抜いておく。
3 紫外線や雨の影響を受けないように、黒いビニール袋に入れる。
4 変形を防ぐため、平らな場所に平積みにしておく(ホイル付きの場合)。
(c)KNS 2004