コンピュータを買って、最初にすること

●コンピュータは「買ってきてすぐに使える」ものですが

コンピュータは買ってきてすぐに使えるものですが、買ってきた状態のままで使うのはお勧めしません。

それは自分のためであり、ほかの人のためでもあります。

ウイルスに感染したコンピュータを使っていると、知らないうちにウイルスをまき散らしてしまうことがあります。

「LHAユーティリティ32」の作者さんの元には、一日6,000通のウイルスメールが届くそうです。ウイルスメールを0にすることはできないでしょうが、10通くらいにはできると思っています。
ワクチンソフトを作っているメーカ様のサイトなどで自分のコンピュータがウイルス感染していないかを「しゃれのつもりでもいいから」チェックして下さい(ウイルスチェックについてはこちらを参照して下さい)。

また、ルータという機材を正しい手順で接続するだけで、安全性は格段に向上します。

自分が被害者にならないため、加害者にならないようにするためにも「ルータの導入」「セキュリティソフトの導入」「定期的なウイルスチェック」「より安全性の高いソフトウエアへの乗り換え」を行っていただきたいと思います。




タイトル
内容
1.物理的な接続方法と用語 概要だけでも知っておくとよいかも →
2.ネットワークに接続する その前にルータの設定を →
3.OSのアップデート Windows Updateを実行する →
4.ブラウザとメーラの更新 FirefoxとThunderbirdのインストール →
5.圧縮・解凍系ソフトウエアのインストール アプリケーションとDLLは別なので注意 →

1.物理的な接続方法と用語

【1.電話機のみ(コンピュータなし)】
一般に、電話機は壁のローゼットからモジュラーケーブルを使って接続されています。
これはコンピュータが接続されていない状態です。

【2.電話機+コンピュータ1台】
ADSLの契約をして、インターネットにコンピュータを接続(かつ電話を同時に使える)するためには、ローゼットと電話機の間にスプリッタという小型の機材を使って電話機と分配し、スプリッタとコンピュータの間にはモデムが入ることになります。
この接続が一般家庭では一番多いのではないでしょうか。

【3.電話機+ルータ+コンピュータ(1台)】
2.の接続に加えて、ルータという機材を接続した状態です。
これだけのことで外部からの侵入は極端に少なくなります。
安易に2.の接続を選択しないで、できればこの接続方法にすることをお勧めします。

【4.電話機+ルータ+コンピュータ(2台〜)】
3.の環境では、コンピュータを買い増しても2台目をそのままインターネットに接続することができます。
逆に言うと、複数台のコンピュータを接続するのはこの方法になります。
※2台のコンピュータで「同時に」インターネットに接続できます。

【スプリッタ】
スプリッタはモデムと電話機の信号を分ける分配機のようなものです。
ADSLの契約をすると付いてきたりします。

【モデム】
モデムはコンピュータ用の信号(デジタル信号)と電話線を流れる信号(アナログ信号)を相互変換するものです。
日々性能が向上するものなので、購入でなくレンタルをお勧めします。

【ルータ】
ルータは複数台のコンピュータを同時にネットワークに接続する機材です。それに加えて、ファイアウォールなどの保安機能を持っています。
1台のコンピュータしか所有していなくても、導入をお勧めします。

【モジュラーケーブル】
いわゆる「電話線」です。両端がコネクタ状になっています。
多くの場合はモデムに付属しています。
モジュラーケーブルは短ければ短い方がいいことを知っておいて下さい。

【ネットワークケーブル】
イーサネットケーブルともいいます。モジュラーケーブルと同じく、両端がコネクタ状になっており、コネクタ形状も似ているので注意が必要です。
モジュラーケーブルと比べてコネクタはやや平たく、ケーブルは太くなっています(注)。
ネットワークケーブルは、長くなっても影響はほとんどありません。

右:モジュラーケーブル
左:ネットワークケーブル

(注)モジュラーケーブルと比べてコネクタはやや平たく、ケーブルは太くなっている:

ネットワークケーブルの太さや形状はさまざまな種類がある。厚さ2mmの平たいケーブルなどもある。

購入時のごくごく簡単なアドバイスとしては「長さを測っておく」「機器ごとに色を変えると便利」ということがあげられる。
「いいや、長い方を買ってしまえ」みたいなことをすると、コンピュータの裏側にぐるぐるまきされたケーブルが放置されることになる。
機器ごとに色を変えると、コンピュータからルータまでをわざわざ手でたぐり寄せて確認する手間が省ける。ちなみに、色によって値段が変わるわけではない。


2.ネットワークに接続する

Windows系のコンピュータは、ルータなしの状態でインターネットに接続することをお勧めしません。パッチが当たっていない状態では20分後にはウイルスやスパイウエアなどに感染してしまうという報告もあるくらいです(パッチ未適用のWindowsシステム、「生存時間」は約20分――米調査(こちら))。

最初のうちは難しいかもしれませんが、できればコンピュータをインターネットに接続するときにはルータを正しく接続した状態で行って下さい。

また、インターネットに接続する前に「ルータのパスワード変更」と「使わないポートを閉じる」ことをお勧めします。
インターネットに接続する前に右図の接続でルータの設定を行っておくと、安全性はさらに向上します。

【電源を入れる順序】
電源を入れる順序は、「情報の流れてくる順番」だと考えて下さい。つまり「モデム→ルータ→コンピュータ」です。

コンピュータの電源を一番先に入れると、ネットワークを認識しなくなります。
簡単なことですが覚えておいた方がいいでしょう。

【ネットワークに接続できなくなった】
ネットワークに接続できなくなる理由の多くは「モデム(またはルータ)のACアダプタ外れ」です。
モデムやルータのACアダプタは大きく、コンセントから簡単に脱落します。
特に部屋の中で動物を飼っている方は注意が必要です。


3.OSのアップデート

 

ブラウザを立ち上げ、Microsoftのホームページ

http://www.microsoft.com/jp
に接続します。

右肩の「Windows Update」を選択します。

セキュリティ警告のウインドウが表示されます。

「はい」を選択して下さい。

「アップデート用のソフトウエア」のダウンロードを勧められることがあります。

「今すぐインストール」を選択します。

高速インストール(推奨)を選択します(下図)。

クリックするとOSのアップデータをダウンロード、インストールします。


【アップデータとパッチ】
「アップデータ」は「新しいものにする」ソフトウエアです。

「パッチ」はアップデータの一種で、「問題のあった部分をふさぐ」場合に使います。

あるアップデータの中に「問題のあった部分をふさぐ」機能があれば、それは「パッチ」であるといえるでしょう。

一般には「アップデータ」を使っていて問題ありません。

なお、Windows Updateとは「(使っている)Windowsにアップデータをインストールするもの」です。


「インターネットへ情報を送信するときに、その情報をほかの人から読み取られる可能性があります。続行しますか?」

というダイアログが出ます。

インターネットの本質に関わる愚問です。

インターネットとはそういうものだと理解して「はい」を押します。

ダウンロードしてインストールをうながす文章が表示されます。

「今すぐダウンロードしてインストールする」を選択します(下図)。

ダウンロードとインストール状況を表すウインドウが表示されます。

インストールが終わったら再起動を求めてきます。

「今すぐ再起動」を選択します。

再起動を行うと、コンピュータは当面安全な状態になります。


4.ブラウザとメーラの更新

【標準ブラウザとメーラは怖い】
Windows標準のブラウザ(Internet Explorer)とメーラ(Outlook)は脆弱な(攻撃されやすい)ことで有名です。

IEを使わずに、Mozilla Firefoxを使うことをお勧めします。
Outlookを削除して、Mozilla Thunderbirdを使うことをお勧めします。

【使わずに、と削除して、について】
IEも削除したいところですが、一部のサイトでは、ブラウズにIEを要求してきたりします(お前だ、Dell Computer!)。また、Windows UpdateでもIEを要求されることがあります(下図)。削除したいのはやまやまですが、残しておく必要があります。

なお、メーラ(Thunderbird)の設定については「Thunderbirdの設定方法(こちら)」の方に多少詳しく掲載しています。


(セキュリティがどうなっているのか、意味不明な指定)


Mozilla Japanのホームページ

http://www.mozilla-japan.org/
に接続します。
安心して使えるブラウザやメールソフトを無償で公開してくれることに感謝してからダウンロードしましょう。

【ブラウザ】Firefox
Firefox 1.0.2 for Windows をダウンロードします。
【無料ダウンロード】を選択します。

【メーラ】Thunderbird
Thunderbird 1.0.2 for Windows をダウンロードします。


【無料ダウンロード】を選択します。


5.圧縮・解凍系ソフトウエアのインストール

【アプリケーションとDLLは別】
ごくごく普通にコンピュータを利用するという方(あえてこのページをご覧になるような方)にとっては難しいことかもしれませんが、圧縮・解凍系のソフトウエアでは、解凍ソフトは単独では機能しないことがあります。

これはアプリケーションとDLLが分離されているためで、圧縮・解凍ソフトとは別にDLLというものをインストールする必要があるのです。

拡張子(ファイル末尾の4文字(または3文字))が「.lzh」「.ish」「.tar」「.cab」「.rar」などで、ファイルにアイコンが付いていないものは対応したDLLをインストールする必要があります。

アプリケーションとDLLについては「DLLとアプリケーションについて(こちら)」の方に多少詳しく掲載しています。